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  • Lot 201
  • 間部 マナブ [Manabu Mabe]
  • 1924-1997
  • コーヒーの収穫
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  • 予想落札価格:700,000円〜1,000,000円
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  • キャンバス・油彩
    97.0×131.0cm(60号大)
    左下にサイン、年記 キャンバス裏にもサイン、タイトル、年記
    1973年
    額装
    間部マナブは、ブラジルに帰化した日本人画家である。1924年に熊本県に生まれ、1934年に一家でブラジルへと入植した。ブラジルに渡った後は、コーヒー農園を営みながら、独学で油彩画を描き始める。初期には遠近法を用いた再現的な絵画を描いていた。間部が画家として認められるようになったのは、1951年にリオデジャネイロ国立美術館で開催された、国立美術展を契機としている。この時期を境に画風は具象と抽象とを綯い交ぜた表現へと変化した。その後も公的な賞を多く獲得し、ブラジル国内で画家としての地位を着実に築きながら、サンパウロ・ビエンナーレやパリ青年ビエンナーレなどの美術展へ参加によって、国際的な評価をも盤石のものとした。1960年にはヴェネツィア・ビエンナーレにブラジル代表として参加し、フィアット賞を獲得している。
     間部の作品は、神奈川県立近代美術館やアメリカのダラス美術館にパブリック・コレクションとして収蔵されている一方で、近年でも国内外のオークションにコンスタントに出品され、市場を賑わせている。
    本オークションでは、初期の静物画(Lot 199)といった珍しいものから、60年代以降に顕著になる抽象的な作品までを取り揃えた。取り分けLot 201は、画家の魅力が凝縮されているように思える。大きな寸法のキャンバスには、彼が若き日に携わっていたコーヒーの収穫風景が、抽象的な様式でもって描かれている。画面を眺めていると、二人の人物に挟まれた台に、煌びやかな赤が置かれていることに気づく。おそらくは採れたばかりのコーヒーの実と思しく、そうであるならば左側で立つ人物は、果実を宙へと放りながら、表皮を取り除いている最中なのであろう。伝統的な手法でもって収穫されたコーヒーの実。その事に気づく時、収穫という行為は画家がかつて見たであろう、郷愁を誘う過去の光景として私たちの前に立ちあらわれてくるのである。

    来歴:個人蔵(日本)
    展覧会歴:「マナブ間部展 ブラジルの巨星=その熱い抒情」熊本県立美術館(熊本)、1978年8月5日-27日/ 鎌倉近代美術館(神奈川)、9月9日-10月1日/ 国立国際美術館(大阪)、11月12日-12月17日 同展図録にNo.65として掲載